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涙の早弁
今日は3月15日。

ワタシの3rdアルバムの発売日でもあり、
ウチのかーちゃんの誕生日でもあり、
ついでに言ってしまえば結婚記念日なんかでもある。
なんだかアニバーサリーオンパレードな日だ。
カラッと揚がった唐揚げでも食べたくなる。

そう。

カラアゲ。

唐揚げといえば...
学生時代からずっとつきあいのある
ワタシの愛すべき友人Mの弁当にはいつも唐揚げが入っていたのである。
しかも、その唐揚げを見事といわんばかりに
お洒落なサラダ菜で美しくデコレートし、
驚く事なかれ、
通常メインにふんぞり返るはずの赤いタコさんウインナーや
タマゴ焼きが脇を固めているのである。
そして、ふりかけがほどよくふりかかった一口サイズのプチおむすび。
デザートはかわゆく耳をそろえた定番ウサちゃんリンゴが勢揃い。
当然、弁当箱もキャラクター系に三つ又のフォーク。
もうここまでくると嫌みを通り越して、
ため息がこぼれるほどの弁当そのものが個性あふれるアートなのである。

それにひきかえワタシの弁当は
左手にぴったりおさまるサイズの鶏のもも肉に白飯のみ。

 工夫も何もあったもんではない。

しかも、年頃の娘が左手にワシっと握った鶏のもも肉に食らいつきながら
右手で白飯をかっこむ姿は100年の恋も冷める姿そのものである。
少なからず女性に産まれてきた以上、
目の前でラブリーな弁当をキャッチーなフォークで
ほおばっている友人Mと比べれば
さすがに何か言い知れぬ目に見えない危機感を感じるものだ。
そこで。

...かーちゃん...
  ワタシもたまにはMちゃんみたいな個性的な弁当が食べたいなぁ

っと、ある日ぼやいてみたのだ。
すると、母はフテキな笑みを浮かべながらうなずいたのだ。

  『分かった』


...嫌な予感は的中した。


フタをあけると紫の世界。
ほのかに漂う年寄りの入れ歯の香り。
すきまに見え隠れする白飯のグラデーション。

それは。

赤シソが白飯にかかっただけの究極のシンプル弁当だった。

ワタシは目を疑った。

だが。

同時にもしやという希望もあったのだ。

もしかしたら、このシソ弁当の中をほじ繰り返してみたら
お宝ザックザックのごとく、
ご飯の真ん中の層あたりから
卵焼きやら、ウインナーがでてくるのではないかと。

しかし。

そんな期待は淡い夢物語のごとく儚いものであった。
人目を忍びバッグの中で弁当に指をつっこんで確かめてみたものの
何ひとつ出てこなかったのである。
せめて、ゴマぐらいはでてきてもよかろうに...
と悪あがきをしたものの。

  かーちゃん....

さすがにその日のワタシは皆の前にその弁当を出す勇気がなく、
2時間目の休憩時間に早弁で腹におさめる事にした。
歴史の教科書を弁当箱の前にたて、ものすごいスピードで
赤シソ弁当をかっくらっていると
背後から友人Mの声が聞こえたのだった。

  『私も一緒に早弁するよ~』

乙女心にもイチバン見られたくない相手だった。
ワタシはあわてて弁当のフタをしめようとした。
だが、焦っていた為手元がくるって弁当のフタが床におちた。
慌てふためきながら咄嗟に歴史の教科書で弁当にフタをして
床に落ちたフタを拾おうと身体を乗り出した所
彼女はワタシの机の横にイスをさっさと置き、
いつものラブリー弁当箱をひろげたと思いきや
定番のカラアゲを教科書のすきまからそっと
ワタシの赤シソワールド弁当の上に置いたのだった。

  『一緒に食べよ』

涙がでそうだった。

それ以来。
ワタシは唐揚げには赤シソ飯と決めている。
かーちゃんの突飛でもない思考回路もさることながら、
ラブリーな弁当と共に友人Mのさりげない優しさの味が
よみがえる気がするからだ。

ちなみに。
そんな心優しい友人Mは、
実はものすごい天然おじょーキャラなのである。
彼女の数々に渡る武勇伝はここでは全て語りきれない程に及ぶのだが、
その話はまた別の機会にでもとっておくことにしよう。

そろそろ、朝が来る。
ワタシの脳みそがラブリーになりつつあるようなので
今日はこれにて。
【2007/03/16 20:00】 | day book | page top↑
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